派遣社員の実態!派遣会社の担当が派遣のリアルをお届けします

腕を組む男性 派遣社員の基本情報

「高時給」「残業ナシ」などの聞こえの良い言葉が躍る派遣の求人広告。

「本当なのか?釣り広告では?」と疑っている方もいると思います。

また働き方の自由さと引き換えに、雇用の不安定さや社会的信用などの面の不安も派遣社員のイメージとしてありますよね。

この記事では、派遣会社で約10年間勤務している筆者が、通算1000人以上の派遣社員を担当してきた中で見たリアルな実態をお伝えしていきたいと思います。

これから派遣社員として働こうと思っている方、派遣先や派遣会社を変えようと思っている方は、知っておいて損は無いと思います。

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派遣社員の実態・交通費は自腹で賞与は無い

求人広告に載っている派遣求人の時給、高いですよね。

ですが、この高時給には裏があるんです。

広告に出ている時給は交通費込み

求人広告に載っている派遣求人の時給は、ほとんどが「交通費込み(交通費無し)」だと思った方が良いです。

高時給なのは、その時給の中に交通費が含まれているから。

この場合よく見なければいけないのは、自分がどのくらい交通費がかかるのかです。

中には交通費が支給される派遣求人もありますが、交通費が支給されるからといってその方が良いということは一概には言えません。

交通費はどれくらいなら損しないか

例えば、「1500円交通費込み」の求人と「1400円交通費全額支給」の求人とでは、どちらが良いのかは、かかる交通費によって変わってきます。

近くに住んでいて徒歩や自転車で通える範囲に職場があるなら、圧倒的に「1500円交通費込み」の方が良いことはわかると思います。

ただ、遠くに住んでいて交通費が月30000円かかるという方は「1400円交通費全額支給」の方がお得になります。

フルタイムで働く場合、月間の労働時間は残業が10時間だとして約170時間~180時間程度です。

100円時給が違うと、単純に月の労働時間に100円をかけた分だけ差があるということなので、約17000円~18000円給与が違うということになります。

なので、交通費「無し」と「有り」で比較したときに、交通費が20000円以上かかる人は、時給が100円下がっても「有り」の方がお得ということになります。

筆者が担当した派遣社員の中には、交通費が出ないので「3駅分歩いて」通勤していたり、「自転車で10キロくらいの距離を通っている」人もいました。

雨の日や暑い日は大変だと思いますが、運動にもなりますし節約できるので個人的にはアリだとおもいます。

厳密に計算すると、「交通費に所得税がかからないこと」や、「残業の1.25倍の割り増し」などもお得かどうかにかかわってきます。

ですがそれほどの差は無いため、シンプルに「残業を含めた月の労働時間」「時給の差」「かかる交通費」の3つを実際に計算しておけば、問題ないと思います。

働き方改革で今後は交通費支給の求人が多くなる

2020年4月~施行される働き方改革では、同一労働同一賃金という考え方が盛り込まれています。

同一労働同一賃金とは「雇用形態に関係なく業務が同じなら場合は同じ給料を払ってください」というものです。

この法律が施行されると、正社員と派遣社員で同じ業務をしている場合、正社員に交通費が支払われて、派遣社員には支払われないとなると、同一労働同一賃金の考え方に反することになります。

実際は「同じ業務」をしているかどうかの判別は難しいものがありますし、個人の能力や異動の可否なども「同一の業務か?」という判断の項目のうちに入りますので、施行されてからでないとどうなるかは見えない部分はあります。

ただ社会の方向性として、派遣社員も交通費が支払われる割合は高くなっていくと見るのが自然だと思います。

派遣社員の実態・クレカなどの審査が通らないことも

派遣社員は社会的な信用が薄い場合があり、クレジットカードや住宅ローンの審査が通らないことがあります。

一般的に派遣社員は「雇用が不安定」というイメージがあると思います。

契約期間の定めのない正社員(無期雇用)と比較すれば、有期雇用の派遣社員は確かに雇用が不安定です。

この不安定さは社会的な信用とリンクしてきますので、派遣社員は信用が薄いということになってしまうのです。

派遣社員として働き始めたばかりのタイミングの審査は注意

特に「初めてクレジットカードを作る人」で「派遣社員として働き始めたばかりの人」は注意が必要です。

派遣社員として働き始めたばかりの人は、審査が通らない可能性があります。

審査には、「どれくらいその会社で働いていたか」が信用をはかる基準の一つになります。

働き始めたばかりの人はまだ信用が薄く、かつ有期雇用の派遣社員の場合はさらに信用が低いと判断されるため、通らないということが発生するのです。

実際にどのくらい勤続していれば、審査が通るのかというのは明確なことはわかりませんが、意外にすんなり通るということもあるので働き始めたばかりであっても一度審査してみたほうが良いでしょう。

またクレジットカードの審査基準の一つに「今までの支払い実績」があります。

クレジットカードを持っている人で「クレカを使う」「支払う」を繰り返していれば、その支払いに延滞がなければ信用があると評価されます。

派遣で働き始めたばかりの人も、この支払い実績があれば審査が通ることがほとんどです。

無理な設定をしなければほぼ審査は通る

クレジットカードを作るとき、キャッシング枠があると思います。

実態としてこのキャッシング枠の設定を高くしすぎなければ、派遣社員でも審査は通りやすくなるはずです。

初めて作る場合は、最低金額で設定したほうが良いでしょう。

クレジットカードによって、審査の通りやすさも違いがありますので、どうしてもすぐに作りたい人はいろいろと調べて審査の通りやすいものを選ぶことをおすすめします。

派遣社員の実態・初回契約で切られる可能性がある

登録型の派遣社員は3か月契約であることが多く、長期で就業する場合でも3か月の契約を更新していく形を取ります。

長期就業で募集されている求人については、途中でいきなり切られるということはよっぽどのことがない限りありません。

ただ初回契約だけは状況が異なり、その満了をもって切られる可能性が高くなります。

初回契約で切られる可能性は最も高い

初回契約は、ほぼ試用期間になります。

派遣先にとっても派遣会社にとっても、その派遣社員は「実際どれくらい仕事ができるのか?」「どんな人なのか?」「勤怠に問題がないか?」「勤務態度に問題はないか?」などは実際に働いてからでないとわかりません。

入社して初回契約中に業務についてこれないと判断された場合は、更新されず終了になります。

最悪の場合、入社して2週間以内であれば即日解雇が可能なので、初回契約の終了を待たずに解雇されることもあります。

これらの試用期間は正社員の場合も同様ですが、契約期間の定めのある派遣社員の方がより終了になりやすいということは、実態として事実です。

初回契約で切られる場合1か月前告知はされない

会社側が労働者を解雇したり雇止めをする場合、原則は「30日前の予告」が必要になります。

(解雇予告)
もし予告ができなかった場合は、会社は30日に満たない分の日数の平均賃金を労働者に支払わなければいけません。

(解雇予告手当)
ただ初回契約で切られる場合は、この30日前の予告は不要になります。

30日前の予告が必要なケースは「雇用契約が3回以上更新されている」または「1年を超えて継続して雇用されている」労働者に限られます。

そのため、初回契約が1年を超え交わされている場合は別ですが、ほとんどの場合2か月間~3か月間が初回の契約期間になります。

そのため初回契約で終了となる場合は、契約満了の最後の日に終了を言い渡され、次の日から仕事がないということも合法になります。

たくさんあるとは言いませんが、派遣社員の実態として現場では起こっていることです。
参考:厚生労働省「有期契約の締結、更新及び雇止めに関する基準について」

派遣社員の実態・派遣会社によって同じ派遣先でも時給が違う

同じ派遣先でも派遣会社が違うと時給が違うことはよくあります。

なぜこのようなことが起こるのか?という背景と、入社してから派遣会社を変えることは可能かなど、損しないための手法をご紹介していきます。

派遣会社によって時給が違う背景

派遣社員の時給は派遣先から支払われる「派遣料金」から支払われていますが、多くの場合派遣会社が違っても派遣料金は同様の金額です。

なのに、なぜ派遣会社によって時給が違うかというと、競合他社に人材を取られないために他なりません。

空前の人手不足の時代、派遣会社も何とかして人材を確保しようと躍起になっています。

人材を集めようとすると、利益を削って少しでも競合他社よりも時給を高く設定するしかないのです。

入社してから派遣会社を変えられるのか?

たまに入社してから他の派遣会社から来ている派遣社員から時給を聞いて、自分より高かったのでそっちの派遣会社に移りたいと言ってくる方がいます。

ただこれは基本的にはルール上NG行為になります。

これを許容してしまうと、最も時給が高い派遣会社に全員移ってしまうことになり、現場が混乱します。

最も時給が高い派遣会社以外の派遣会社は、その派遣先に人材を派遣しても違う派遣会社に移られてしまうことになるので、積極的に人材を紹介することは無くなります。

紹介してもらえなくなると、人手不足の派遣先としては困ります。

こういう理由で、同じ派遣先で派遣会社を移ることは事実上不可能ということになります。

そのため、時給を事前にしっかりと調査したうえで派遣会社を選ぶことが大切になります。

時給だけがすべてではない!総合的な派遣会社選びを

「同じ仕事をするなら時給が良いほうが良いに決まってる」と思う人が大多数だと思います。

が、実態としてそうとは言い切れない側面もあります。

時給が高いということは、その分派遣会社の利益が少ないということになります。

適正な利益が取れない派遣会社は、どこかで無理をして会社運営をしている可能性が書いたため「サポートが手抜き」「担当との連絡がとりづらい」「派遣会社が約束を守らない」ということが発生しやすいと言えます。

また最悪の場合「派遣会社が倒産する」ということも実態として起こっています。

筆者も10年間働いているなかで、3社ほど倒産した派遣会社の派遣社員を受け入れたことがありますが、どの会社もかなり高く時給設定をしていました。

仕事をしていく上で、派遣会社の対応がしっかりしているかどうかは意外に重要な基準になります。

時給だけではなく、口コミや評判もしっかり確認してから派遣会社を選ぶことをおすすめします。

派遣社員の実態・休みが多いと手取りが減る

正社員よりも派遣社員の方が、月収が高いことも少なくありません。

が、正社員との大きな違いである「月給制」か「時給制」かの違いで、実は落とし穴があるんです。

その落とし穴とは「時給制の場合休みが多くなる月は手取りが減る」というものです。

年末年始・GW・お盆は手取りが減る危険性あり

接客業などで年中無休のシフト制で働いている場合は、手取りが減る心配はありません。

しかし土日祝休みの事務や営業などの職種で働いている場合は、注意が必要です。

正社員の場合は、年末年始、GW、お盆などの長期休暇があっても固定給が変わることはありません。

しかし、時給で働いている派遣社員の場合、休みが多い月はそれだけ月収が下がることになります。

例えば10連休のあった2019年のGWは、土日祝が休みの場合、出勤日は19日でした。

週5日勤務だと31日暦がある月は21~23日出勤になりますので最大で4日分月収が変わってくることが実態としてあります。

これは派遣社員にとっては、かなり痛い差です。

土日祝休みの派遣求人に応募する場合は、このあたりも加味したうえで収入に問題がないか判断する必要があるでしょう。

派遣社員の実態・働き方がかなり自由

派遣社員の実態として、デメリットの部分ばかりをご紹介してきましたが、当然メリットの部分もあります。

メリットは一般的に言われているイメージとほとんど一緒です。

有給休暇が取得しやすい

正社員よりも有給休暇は圧倒的に取得しやすいです。

自分で直接上司に有休をとりたいと言うのは、言いにくいもので、それが繁忙期だったりするとなおさらです。

しかし派遣社員であれば、派遣会社の担当に言えば間接的に派遣先と調整してくれます。

有休分の給与を支払うのは派遣会社なので、派遣先に経緯はかかりません。

派遣という仕組み上、有休がとりやすいというのは実態として事実なのです。

副業している人も多い

正社員と違い派遣社員は副業がOKなことがほとんどです。

副業は収入面的にも助かりますし、スキル習得という面でも有効的です。

実態として、副業をしている派遣社員はとても多いので、これは派遣社員という働き方の大きなメリットと言えます。

ただ一つだけ注意することは、勤怠不良を起こさないこと。

仮に、欠勤や遅刻などがあった場合、副業をしているせいで体力的に無理が出て勤怠不良になったとなれば、派遣会社としても派遣先としても「シフト(責任)を守れないなら副業は辞めて」と言われても仕方ありません。

勤怠不良が、更新してもらえない理由になることも当然ですがあり得ます。

副業をする際は、勤怠不良にならないようにだけ注意してください。

派遣社員の実態・派遣先の大企業の社員と結婚できる

これも実際に合ったことですが、新卒でも中途でも入社できないような日本の超大手企業にも、派遣社員であれば働くことができます。

そのような超大手企業に入社した派遣社員の女性で、その会社の正社員の男性と社内結婚をした人がいました。

それを目的に入社をすることは若干動機が不純な気もしますが、個人的には人生をよりよく過ごすための戦略としては、全然アリだと思います。

まとめ・派遣社員は実態で見ても悪い働き方ではない

派遣社員の実態が、お分かりいただけたと思います。

総合的に見て、派遣社員という働き方は実態で見てもそれほど悪い側面は多くありません。

  • 交通費は自腹で賞与は無い
  • クレカなどの審査が通らないことも
  • 初回契約で切られる可能性がある
  • 派遣会社によって同じ派遣先でも時給が違う
  • 休みが多いと手取りが減る
  • 働き方がかなり自由
  • 派遣先の大企業の社員と結婚できる

デメリットよりもメリットの方が勝る人も多くいると思いますが、実態を把握したうえで働き方を選択することは、長く仕事をするうえでもとても大切になります。

この記事があなたの理想を実現する一助になれば幸いです。

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