派遣会社のブラックリストは存在する?載るとどうなるの?

派遣社員の基本情報

「前の派遣会社で良くない辞め方をしたから、ブラックリストに載っているかも」
「全然仕事を紹介してもらえないけど、もしかしてブラックリスト入りしてる?」

派遣で仕事を探しているのに、どの派遣会社でもなかなか紹介してもらえなくて「ブラックリストに載っているんじゃないか」と不安になっていませんか?

前の派遣会社を飛んで辞めていたり、派遣会社とトラブルになった経験があったりすると、その情報が派遣会社の間で出回っているのではないかと心配になりますよね。

この記事では、派遣会社で10年間勤務し通算1000人以上の登録者と面談をした筆者が、「派遣会社にブラックリストは存在するのか?」という疑問にお答えしていきたいと思います。

また「ブラックリストに載っているかどうかを判断する方法」「ブラックリストに載らないためにはどうすればいいか?」という部分にもしっかり触れていきますので、最後まで読んでいただければ不安はすっきり解消されると思います。

派遣会社にブラックリストは存在するのか?

派遣会社にブラックリストは存在するのか?という疑問に対して、まずは結論をお話しします。

クレジットカードのようなブラックリストは存在しない

派遣会社に、クレジットカードの審査に使われるような会社間で共有されるブラックリストは存在しません。

そのため、ある派遣会社でトラブルを起こしたとしても、その情報がその他の派遣会社に渡ることはありません。

前職の派遣会社で、何かよからぬことをしてしまった方もまずは安心してください。

クレジットカードのブラックリストとはどういうものか

クレジットカードを作るとき、クレジット会社はその人に信用があるかどうかを判断するために「信用情報機関」に信用情報を提供してもらいます。

信用情報とは、たとえば「過去に支払いを延滞していないか」「他の会社からたくさんお金を借りていないか」などという情報です。

この信用情報によって、返済する能力がないと判断されると、クレジットカードが作れなかったりローンが組めなかったりします。

この信用情報に多くのネガティブ情報があると、いわゆる「クレジット会社のブラックリストに載ってしまった」という状態になるわけです。

これらの信用情報は「信用情報機関」の会員になっている会社(クレジット会社、消費者金融、金融機関など)であれば知ることができます。

つまり、A社というクレジット会社で延滞した情報を、B社という消費者金融でも知ることができるということです。

そのため、A社のクレジットカードで何度も延滞をしていて、B社で新たにお金を借りようとすると、審査が通らずお金を借りることができないということが発生します。

派遣業界ではブラックリストを作ることは法で禁じられている

派遣業界では、クレジットカードのように別の会社間で共有されるようなブラックリストを作ることは、法律で禁止されています。

4.使用者は、あらかじめ第三者と謀り、労働者の就業を妨げることを目的として、労働者の国籍、信条、社会的身分若しくは労働組合運動に関する通信をし、又は第1項及び第2項の証明書に秘密の記号を記入してはならない。
(労働基準法 第22条第4項 通信の禁止等(ブラックリストの禁止))

これは、事前に第三者と申し合わせてブラックリストを回覧するなどして、労働者の就業を妨げる目的で使用することを禁じている条文です。

労働基準法で定められているので、派遣業界だけでなく労働市場全体で適応となる法律です。

また労働基準法だけでなく、個人情報保護法に定められている個人情報の保護という観点からも、こういった会社をまたいだブラックリストが存在することは無いと言えます。

私自身、10年派遣業界にいますが、このようなブラックリストの存在を見たこともなければ聞いたこともありません。

なので、もし以前どこかの派遣会社でトラブルを引き起こしてしまった方がいたとしても、安心してください。

その情報が、他の派遣会社に渡ることは原則ありません。

派遣会社や派遣先の中でのブラックリストはある

ただし、派遣会社や派遣先の中でそういったブラックリストが存在する可能性は大いにあります。

法律でも社内でのブラックリスト作成は禁じてはいませんし、個人情報としても社外に流出しなければ問題ありません。

そのため、以前A社という派遣会社で就業中にバックレたことがある場合、A社はその人を「危険人物」としてリストアップします。

また、派遣先でもそれは同様です。

派遣先でも過去就業していた派遣社員の情報を、一定期間データベース上に保存している会社も存在します。

派遣会社や派遣先にブラックリストが存在する可能性があることがわかりましたが、このブラックリストに載るとどうなってしまうのでしょうか?

ブラックリストに載るとどうなる?

派遣会社や派遣先の中で存在する可能性があるブラックリスト。

このリストに載ってしまうと、具体的にどんなデメリットがあるのでしょうか?
自分がブラックリストに載っているかどうか判断する方法も含めて、解説していきます。

その派遣会社や派遣先での就業はほぼ難しくなる

このリストに載ってしまうと、その派遣会社や派遣先で就業することはかなり厳しくなります。

いくら人手不足とはいえ、派遣会社はお客様である派遣先に対して、トラブルを引き起こす可能性のある人材を派遣するのは大きなリスクです。

その人が起こしたトラブルのせいで、派遣先からの信用を失う危険性もありますし、そのトラブルを解決するためにかける労力や時間は全く利益にならない経費です。

さらに最悪の場合、その派遣先と取引ができなくなってしまうかもしれません。

そうなると、今派遣している派遣社員は全員解雇にせざるを得なくなります。

派遣会社としては、1人の派遣社員を派遣して得られる利益と、そのリスクを天秤にかたときに、あまりにリスクの度合いが高すぎるわけです。

また派遣先においても同様です。

派遣という雇用形態上、派遣先が受け入れる派遣社員の個人情報を事前に知ることはできないことになっていますが、遅くとも就業開始後には氏名などの個人情報は開示されます。

派遣先がこれから受け入れる派遣社員に、その会社での就業歴とネガティブ情報が存在することがわかったら、一旦は就業開始できたとしても初回の契約期間で更新が無かったり、二週間以内の試用期間で派遣会社から解雇される可能性もあります。

ブラックリストに載っているかどうか判断する方法

自分がブラックリストに載っているかどうかを判断する方法は、応募してみるに限ります。

派遣会社のホームページや、求人サイトからいくつかの求人に応募してみてください。

派遣会社でブラックリストに載っている場合、この時点で派遣会社から「お断わりメール」がきます。

メールの内容は様々ですが、「お仕事のご紹介がむずかしく・・・」だったり、「ご紹介が可能な場合は〇〇営業日以内に担当よりご連絡を・・・」というものだったりします。

自分に経験があり、年齢的にも問題ないレベルの求人に対して応募にしたにもかかわらず、前者内容のメールがきた場合は、ほぼ確実にブラックリスト入りしています。

もし担当から電話が来て断られた場合は、まだ望みはありますので、他の求人へ応募してみてもチャンスはあるでしょう。

後者のメールの場合も、記載されている「〇〇営業日以内に連絡」がなかったら、ブラックリストに入っているでしょう。

この人手不足の時代に、せっかく来た応募に対してメールで紹介不可の連絡を済まそうとする時点で、かなり厳しい評価をされていると考えざるを得ません。

ブラックリスト入りで派遣登録を弾かれる

また、派遣先のブラックリスト入りについては、トラブルになった派遣会社と違う派遣会社に登録し同じ派遣先の仕事に応募すれば分かります。

もし派遣先企業でブラックリストに入っているのであれば、書類選考ではじかれるはずです。

こうなってしまった場合、ブラックリストに入っている派遣会社や派遣先での就業はしばらく難しいので、潔くあきらめたほうが賢明です。

後ほど「ブラックリストに載ってしまったらどうすればいいか?」という章で対策をご紹介します。

ブラックリストに載ってしまっている可能性がある場合「なんでブラックリストに載ってしまったんだろう?」という疑問がわいてきますよね。

どのようなことをしたらブラックリストに載ってしまうのか?をわかっておけば、今後のの教訓にもできます。

次の章では「ブラックリストに載る行動」を具体的に明らかにしていきます。

何をしたらブラックリストに載る?

ブラックリストに載ってしまうような行動は、具体的に下記のようなものがあります。

当然のものもあれば、意外な理由もあると思いますので、しっかり認識しておきましょう。

飛んだらアウト

いわゆる「バックレ」ですね。

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連絡なくいきなり職場に来ず、そのまま退職するというものです。

当然ですが、これをしたら99%ブラックリスト入りです。

派遣社員が飛ぶと、派遣会社は大きな損失を被ります。

仮にバックレられたとしても、派遣先からの貸与物を回収しなければいけませんし、退職するときの手続きも必要なので、必ず派遣社員と連絡を取って一度は会う必要があります。

そのためにあらかじめ回収している親族に連絡をすることもあれば、自宅に行くこともあります。

その時間や労力、交通費はすべて経費です。

また、派遣会社として派遣先からの信頼を失う可能性もあります。

こんなリスクを負ってまで、バックレる危険性のある派遣社員を雇う派遣会社はありませんので、飛んだ時点でブラックリスト入りは覚悟しておいたほうが良いでしょう。

複数回のキャンセル

就業前には、派遣会社に登録に行く、職場見学、入社手続きなど、時間を決めてその場所に行くというタイミングがいくつかあります。

この約束を守れない人がいます。

1回なら全然OKですが、2回、3回と回数を増すごとに、その人の信頼性は下がってきます。

事前にキャンセルの連絡をしておけば信頼を失う度合いも低いですが、事前連絡なく約束をブッチしてしまった場合、ブラックリストに入る可能性が高まりますので気を付けましょう。

もし約束を破ってしまった場合は、事後でも良いので連絡して、丁重に謝ることをおすすめします。

コンプライアンス違反

これは最悪です。

ほぼ確実にブラックリスト入りするといっても過言ではありません。

コンプライアンス違反とは、いわゆる法違反です。

「飲酒運転でつかまった」
「万引きで逮捕された」
「個人情報を漏洩した」
「企業秘密を外部にもらした」

過去このようなことがあった人材は、派遣会社にとっても派遣先にとっても大きなリスクです。

会社存続が危ぶまれるレベルのリスクになりますので、このようなことをした人はほぼ確実にブラックリスト入りしているでしょう。

勤怠が悪かった

以前就業中に勤怠が悪かった場合も、かなりの確率でブラックリスト入りしています。

少しの遅刻や欠勤であれば仕方ないことですが、その頻度が多いと派遣先に迷惑が掛かりますし、派遣会社としても手間がかかります。

目安としては「月2回以上の欠勤遅刻早退」は、危険ゾーンです。

また事前に連絡を入れているかも非常に重要な要素になりますので、欠勤・遅刻・早退の際は、派遣先および派遣会社に必ず事前に連絡するようにしましょう。

派遣先での評価

派遣先での評価も、ブラックリスト入りには関係しています。

これはどちらかというと、派遣先でのブラックリストになります。

「コンプライアンス違反もしていないし勤怠も悪くなかったのに、同じ派遣先に応募したら断られてしまった」という場合は、派遣先での評価が良くなかったことが考えられます。

「仕事は普通にするけどなんか一緒に働きたくない」という人、どこの職場でも一人はいますよね。

あなたはそれに該当しているかもしれません。

愚痴ばかりを言ったり、指示に従わなかったり、周囲とコミュニケーションをとらなかったり・・・。

心当たりのある場合は、自分の言動や立ち居振る舞いを今一度見直してみましょう。

ブラックリストに載ってしまったらどうすれば良いか?

ブラックリストに載ってしまっているかもしれない場合、就業するためにはどうすればよいのでしょうか?
具体的な対処法をお伝えしていきます。

派遣会社のブラックリストの場合「他の派遣会社へ登録する」

派遣会社でブラックリストに載ってしまっている場合、その派遣会社でいくら信頼を取り戻そうと思っても徒労に終わることが多いです。

そのため、他の派遣会社へ登録して仕事を紹介してもらった方が賢明です。

前述のとおり、派遣会社同士で派遣社員の情報を共有することはありません。

派遣会社を変えれば、また新たな状態からスタートできるので、問題なく仕事を紹介してもらえると思います。

もし紹介してもらえなかった場合は、ブラックリストに載っている以外の理由になるはずですので、その理由を考えて解消するようにしましょう。

派遣先企業のブラックリストの場合「その派遣先は諦めて違う派遣先に行く」

派遣先企業のブラックリストに載ってしまっている場合は、もうその派遣先で就業することは難しいです。

部署が違ったとしても、その派遣先企業での就業歴があった場合は、前回働いていた部署に「その人がどんな人だったか」確認が入ります。

これは同一企業内なので、個人情報の漏洩には当たりません。

また、前回の就業歴を隠して応募し運良く就業開始できたとしても、どのタイミングで就業していた過去がバレるかはわかりません。

もし、バレた場合は、経歴詐称で解雇されるかもしれませんし、次回の契約更新がされず終了になる可能性があります。

それにビクビクおびえながら仕事するのは嫌ですよね。

なので、正直に過去就業していたことを派遣会社に伝えて、そのうえでその派遣先企業に戻れなかった場合、いさぎよくあきらめて違う派遣先を探してもらうようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?
派遣業界で共有されるブラックリストがないことが分かって安心したと思います。

ただ、派遣会社や派遣先企業の中ではブラックリストは存在する可能性が高いので、もし自分が載ってしまっている場合は、潔くあきらめたほうが無難です。

過去してしまった過ちを悔やんでも仕方ありませんので、次からは同じことをしないように、ブラックリストに載らない行動を心がけていきたいですね。

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