退職前に必ず有給を消化する方法【社会保険労務士監修】

退職前に必ず有給を消化する方法転職コラム

皆さんの会社では有給休暇を消化をすることができていますでしょうか?

有給休暇の消化は労働者の権利です有給消化は労働者の権利ですし、取得する理由も原則として問われません。

ですが、本来であれば有給を取得する権利があるのにも関わらず、「使えない!」「使わせてくれない!」なんてことも非常に多くあります。

退職前であればなおさら。会社にもいろいろ事情があるのでしょうが、そのたまりにたまった有給を可能であれば退職前に使えれば使いたいものです。

監修者:杉山 秀文この記事の監修者 杉山 秀文
社会保険労務士法人ヒューマンキャピタル
代表/特定社会保険労務士
神奈川県逗子市の生まれ。早稲田大学商学部卒業後、大手電機メーカー人事部、大手ビジネス系出版社人事部等に通算23年間勤務。
採用、研修、人事・賃金制度構築・運用、勤怠管理制度構築、労使関係、就業規則作成・改定、人事業務アウトソーシングなどの人事業務全般に従事。
2006年7月、「社労士事務所HRMオフィス」を開業。2017年2月「社会保険労務士法人ヒューマンキャピタル」として法人化。豊富な実務経験を活かし、就業規則作成・改定、人事・賃金制度の構築、非正社員の人事制度・就業規則・正社員登用、社会保険・助成金手続の分野でコンサルティング、アドバイザー、アウトソーシング業務を幅広く行っている。
雑誌執筆、講演実績多数

有給消化をしないといけない理由

そもそも、有給は労働基準法で決められています。

正社員だけではなく、アルバイトやパートにも基準を満たしていれば付与される権利です。

ご存知のとおり、会社を休んでも給料をいただける有難い制度です。

例えば、週の所定労働時間が30時間以上の場合は、入社6か月が経過していて、その労働日の80%以上を出勤していれば10日の有給を取得できます。

マジメにさぼらず出勤していれば自動的に有給は付与されるものなのです。

勤続期間有給
6ヵ月10日
1年6ヵ月11日
2年6ヵ月12日
3年6ヵ月14日
4年6ヵ月16日
5年6ヵ月18日
6年6ヵ月以上20日

また、アルバイトやパートなどで、1週間の所定労働時間が30時間未満の場合、その出勤日数によって有給日数が決められています。

有給は利用しないと翌年に繰り越しすることが可能です。

ただし、2年で時効のため消えてしまうので要注意。

それをもとに計算すると、週30時間以上の場合、全く有給消化しなかった場合の日数40日がMAXと覚えておきましょう。

では、なぜ労働基準法で決められているのに、有給消化がなかなかできないのでしょうか。

POINT

  • 雰囲気的に言いだしづらい
  • 常に人手不足で休めない
  • 会社がそもそも有給を使わせてくれない

    など、さまざまな理由で日本では有給消化がしづらい傾向にあります。

    退職前の有給消化を認めさせる方法

    労働者の権利とはいっても、上司に向かって「有休を取らせないのは労働基準法違反ですよ!」なんてとてもいえません。

    ですが、退職するまえに有給消化をしたいのであれば、当たって砕けてみてもいいでしょう。

    上司に相談してみる

    まずは、ダメもとで直属の上司に相談してみましょう。

    退職したいと伝えるはずですので、それと同時に有給申請もしてみるべきです。

    ここですんなりいけばいいのですが、断られる可能性も十分ありますので、念のために録音して証拠を残しておいてください。

    だいたいのスマートフォンには録音機能がついているため、相談直前に機能をONにし、メールでのやり取りもすべて保存しておきましょう。

    労働基準監督署に相談してみる

    上司に相談して「有給休暇の消化はできない」といわれたら、だいたいの人はそこで諦めてしまいます。

    ですが、やっぱり労働者の権利だから諦めきれないという場合は、労働基準監督署に相談する方法もあります。

    さきほど例に挙げたように、会話の録音またはメールでのやり取りであればそれらを証拠にして戦いましょう。

    有休を買い取ってもらう

    本来であれば有給は、心身の健康などのために休んでくださいね、という制度のため、有給を買い取ってもらうことが認められていません。

    健康のために給与を渡すとなるとかなり矛盾してしまいます。

    ただし、時効で消滅した有休を買い取ることや退職によって取得ができなくなる有休残を買い取ることは違法ではありません。

    もっとも買い取ることは会社の義務ではないので、そのような制度があるかどうかを確認しておいてください。

    給料はどうなる?

    有給消化ができると決まったら、とても嬉しいですよね。

    とはいえ、休んだ日数の給料はどうなるのでしょうか?

    減額されてしまうとせっかくの有給も楽しめなくなります。

    基本的には、減額されることなく通常通りの金額となるため、給料も変わらないケースが多いです。

    ただ会社によっては、計算方法が異なることもありますので必ず確認してから有給消化をしてください。

    有休取得した際の給与計算方法は3つ

    こちらも計算方法が決められています。

    例えば、日給の半分のみの支給や、手当を抜きにして支給などというのはNGです。

    ①毎月の給与と同じ金額で支給

    基本的には、減額されることなく通常通りの金額となります。

    ②健康保険の標準報酬月額を元に支給

    有休1日につき、毎月の健康保険料の元になっている「標準報酬月額」の30分の1を支給するという方法です。

    こちらには金額に上限がありますし、さらには労使協定を結ぶ必要があります。

    ③平均賃金を支給有休取得日より前3ヵ月の賃金総額から日割り

    ③平均賃金を支給有休取得日より前3ヵ月の賃金総額を、その間の暦日数で割った金額(これを平均賃金といいます)を支給する方法です。

    なお、その3ヵ月の間にボーナスなどが支給されてもそれらは除外されます。

    また、業務災害で休んだ日や産前産後休業、育児・介護休業などの期間も除外されます。

    有給消化中の転職活動

    退職するまえに、たまった有給を使えるとなれば、転職活動するには非常に有効です。

    本来であれば、仕事を早退したり、遅い時間に面接を設定してもらったり、時には土日に、なんてこともよくありますが、有給を有効活用できれば、転職活動はいつでも可能になるわけです。

    ただ、有給は決められた日数しかありません。

    有給消化するまえに求人サイトへ登録し、少なくとも何社かは応募している状態にしておきましょう。

    有給開始とともに面接に行くことができればベストです。

    まとめ

    有給を使うのは労働者の権利ではあるものの、取らせてくれない会社が多いのも事実です。

    そのような場合、会社に粘り強く働きかけ、会社の対応が不当だと感じたら労働基準監督署などに相談するといった対策を取るしかありません。

    退職するという場合であればそれまでより強く権利主張をしていいでしょう。

    「立つ鳥跡を濁さず」で、禍根を残さずに円満退社するのがベストですが、会社の言うことがあまりに不当であれば我慢する必要はありません。

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