派遣会社に登録に行ったとき「職場見学」があるって言われたことありませんか?
この職場見学は、派遣先の担当者から業務内容の詳しい説明をしてもらったり、実際にこれから働く事務所や休憩室などを見せてもらって、就業前と後のギャップを無くすという目的で行われています。
しかしこの時点ではまだ採用が決まっているわけではありません。
可能性として職場見学に行った後、不採用となることはあり得るのでしょうか?
派遣会社に勤務して10年間、様々な派遣先や派遣社員を見てきた私が、そのような疑問にお答えしていきたいと思います。
職場見学の後に不採用になることはあり得る
結論から言うと、職場見学の後に不採用になる可能性はあります。
なぜ職場見学の後に不採用になるのか?その理由をお伝えしていきます。
派遣先での面接は禁止されている
派遣では、派遣先での面接は派遣法という法律によって禁止されています。
そのためこの職場見学によって、派遣先から採用不採用が決められるということはありません。
(紹介予定派遣であれば、面接は可能です。)
労働者派遣(紹介予定派遣を除く。)の役務の提供を受けようとする者は、 労働者派遣契約の締結に際し、派遣労働者を特定することを目的とする行為 をしないように努めなければなりません。
(労働者派遣法第26条第7項)
引用:社団法人 日本人材派遣協会 派遣先用リーフレット
採用不採用は派遣会社が決める
派遣では、職場見学後に採用不採用が決まることがほとんどですが、その決定権は派遣会社にあります。
職場見学後の通知なので、派遣先が決めているものと思われるかもしれませんが、法律上そういうことはありません。
しかしながら、派遣という仕組み上、派遣会社は“お客様である派遣先から求められるスキルや条件を持った人材”を派遣する必要があります。
そのため、職場見学によって派遣先が直接的にその人の採用不採用を決めることはできないにしても、派遣会社として派遣先であるクライアントの意向は十分に加味して、採否を判断しなければいけないのは想像できると思います。
職場見学後に不採用になる理由
そのため、職場見学にいったあとに不採用を言い渡された場合、その理由は大きく2つに分けられます。
1つ目は「書類上は問題ないスキルを持っていたが、職場見学での立ち居振る舞いによってその派遣先で働くに足る人材ではないと派遣会社によって判断された」というもの。
そのケースでの不採用になる理由の例としては、下記のようなことが挙げられます。
- 志望動機が浅い(時給が高いだけ など)
- 過去の職歴の退職理由が悪い(人間関係 など)
- 身だしなみに清潔感がない
- 敬語が話せない
- 表情が暗い
- 考え方がネガティブ
- 待ち合わせに遅刻してきた
このような要素によって、派遣会社から「この人は入社しても早期に退職してしまう可能性が高い」と思われたり、「この人は入社しても派遣先の仕事についていくことはできない」と判断されれば不採用になります。
2つ目の理由は「派遣先で違う派遣社員を受け入れることになったから」です。
派遣先では、派遣社員を雇い入れようとする場合、複数の派遣会社に依頼をしています。
すると1名のみの派遣受け入れ枠だった場合でも、数社の派遣会社から応募があることがありますので、受け入れる1名の派遣社員以外の派遣会社とは派遣契約を結ぶことができず、不採用となります。
不採用の理由は聞いてもムダ
不採用になった後、派遣会社に不採用になった理由を聞きたくなりますよね?
でも、実際のところ本当の不採用理由を言ってくれる派遣会社は少ないのが実情です。
新卒面接やアルバイトの面接でも同じですが、不採用の理由を伝えなければいけないという法律はありませんので、伝えなくても法的には全く問題はありません。
逆に理由を伝えると、不採用になった人が怒ってしまうなど派遣会社としては対応に苦慮する恐れがあるため、結果のみ伝えることが多いです。
同じ派遣会社で、違う派遣先を紹介してもらえる場合は「次に活かしたいので」という理由を伝えたうえで謙虚かつ丁重に聞けば、不採用理由を教えてくれる場合もあります。
どんな理由であっても、派遣会社と揉めて良いことは一つもありませんので、常に冷静に対応するように心がけましょう。
職場見学の後採用をもらうために必要な4つのこと
職場見学の後に不採用になる可能性はあり得ることをお伝えしてきましたが、採用してもらうためにはどうすればよいのでしょうか?
いくつか重要なポイントがありますので、しっかり押さえておきましょう。
笑顔で明るくいる
職場見学のときはもちろん、派遣会社とコンタクトを取る際は、常に明るく笑顔でいることを心がけましょう。
登録の時だけではなく、電話での応対、職場見学で会った際も派遣会社はあなたのことを見ています。
常に笑顔で明るく前向きな人物は、派遣先で働き始めてからも周囲と良好な人間関係を築くことができ、評価を得ることができます。
それが、ひいては長く勤務できることにも寄与します。
そのような良い人材を派遣することで、派遣会社の評価も上がります。
派遣会社(派遣先)から一緒に働きたいと思われるような、笑顔で明るく前向きな振る舞いをしましょう。
身だしなみを整える
職場見学は、「ビシっとしたスーツ姿」で臨みましょう。
派遣会社も派遣先も、身だしなみは重要なチェック項目としてみています。
派遣会社に登録に行く際、ほとんどの場合「服装は自由」ですし、派遣先で勤務するときの規定でも「服装自由」だったり「オフィスカジュアル」でOKだったりします。
しかし、自由といわれたからといって気が緩んでオフィシャルな場にふさわしくない身だしなみになってしまうと、ネガティブな評価をされてしまいます。
派遣先によって、職場見学はスーツでなくてもOKなところもありますが、全体的に清潔感のある身だしなみをすることだけは、常に心がけておくことをオススメします。
NGな例を挙げておきますので、チェックしておいてください。
- 上下スウェット
- サンダル
- しわしわのYシャツ
- よれよれのスーツ
- 伸びた爪
- 無精ひげ
- 寝癖
- ピアスなどの華美なアクセサリー
- 露出の多い服装
最低限のマナーを守る
人としての最低限のマナーを守ることも非常に大切です。
例えば、待ち合わせの時間を守る、職場見学のときの派遣先の担当者に「本日はお時間をいただきありがとうございます。宜しくお願い致します。」といった感謝とあいさつをする、派遣会社との電話の折り返しやメール返信などはなるべく早く対応する、などといったことです。
まだ社会人として働いたことのない人もいると思うので、ビジネスマナーをしっかりとしないといけないということまでは言いませんが、人としてのマナーは最低限守れるように意識しましょう。
競争の激しくない案件を狙う
競争率の高くない案件に応募することも、不採用にならないコツです。
前述のように、1名しか受け入れ枠の無い求人に応募すると不採用になる確率は高まります。
また、あまりに時給が高かったり高度なスキルが必要な案件に応募してしまっても採用率は下がります。
自分の職歴やスキルに自信があれば別ですが、身の丈に合った案件に応募したほうが採用されやすくなり時間効率は良いです。
採用率を挙げたい場合は、複数名募集していて、かつそれほど高度なスキルが必要ない案件に応募することをオススメします。
まとめ・職場見学は面接と同じくらいの意気込みで臨もう
職場見学は、面接ではありません。
だからといって気を抜いたりすると、不採用になる可能性は十分にあります。
面接ではありませんが、それに近い温度感で臨んだ方が採用率は確実に高まります。
派遣会社の担当者と密にコミュニケーションをとって、採用率やどんな人が採用されやすいかなども、聞けば教えてくれるはずです。
派遣会社を味方につけて、効率よく仕事を決められるように頑張ってくださいね。
