派遣の時給が最低賃金を下回ることがある?最低賃金の決め方・計算方法をマスターしよう

派遣社員の豆知識

「最低賃金」というワード、ご存知ですよね。

「最低賃金を1,000円に引き上げろ!」という声が、一時期話題にもなっていました。

私たち労働者の給料は、最低賃金制度によって、最低限保証されています。

これはアルバイトやパートだけでなく当然、派遣社員に対しても最低賃金制度は適応されるので、最低賃金以下の給料しかもらえていないというのは、明らかに違法になります。

今回は派遣社員の最低賃金について詳しくみていきます。

具体的には、

  • 2種類ある最低賃金について
  • 派遣社員の最低賃金の決め方と計算方法
  • 最低賃金を下回っている時の対処法

この3つのトピックでわかりやすく解説していきます!

自分の給料が、最低賃金以下かどうかきになる人は、ぜひ参考にしてください。

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2種類ある最低賃金とは?

最低賃金については、言葉を聞くだけである程度どういうものか想像はつきますよね。

この最低賃金、実は細かくみると次の2種類に分けられます。

  • 地域別最低賃金
  • 特定(産業別)最低賃金

どちらも、1時間あたりの給料の金額(時給)を示しています。
それぞれ具体的にみていきます。

地域別最低賃金

いつもテレビやニュースで耳にする「最低賃金」は、地域別最低賃金を指すことが多いです。

厚生労働省のホームページで確認すると、

「地域別最低賃金は、産業や職種にかかわりなく、都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に対して適用される最低賃金として、各都道府県に1つずつ、全部で47件の最低賃金が定められています。」※

と記載されています。
参考ページ:賃金 賃金引き上げ、労働生産性向上
「すべての労働者に対して適用される」ので、当然、派遣社員の賃金にも適応されます。

地域別の最低賃金は毎年改定されていて、年々金額は上がっていますが、それでもまだ1,000円は程遠いという印象がありますね。

47都道府県それぞれで設定されていて、平成30年10月に発効された最低賃金を比較すると、一番高いのはやはり東京都、最下位は鹿児島県です。

その差額はなんと224円。

都心部と地方との格差が、ここでも浮き彫りになっていますね・・・。

地域別最低賃金ランキングベスト3

平成30年10月に発効された地域別最低賃金をみると、

1位 東京都  985円
2位 神奈川県 983円
3位 大阪府  936円

最下位 鹿児島県 761円

(全国加重平均は874円)

という結果でした。

東京都と神奈川県は980円を超えていて、続く大阪府も936円と他の県に比べると高くなっています。

900円を超えているのはこの3都府県だけでした。

東京都と鹿児島県では200円以上の差があり、フルタイムで働く派遣社員にとって、月給換算すると、3万円以上の差額がでることになります。

これはなかなかですね・・・。

特定最低賃金

厚生労働省のホームページで確認すると、

「特定最低賃金は、特定地域内の特定の産業について、関係労使が基幹的労働者を対象として、地域別最低賃金より金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認めるものについて設定されており、全国で233件(平成29年4月1日現在)の最低賃金が定められています。」※

と記載されています。
参考ページ:賃金 賃金引き上げ、労働生産性向上
簡単にまとめると、鉄鋼業や製造業など特定の産業に従事する労働者に対して適用される最低賃金で、各都道府県によって対象となる産業が異なります。

都道府県ごとの特定最低賃金はコチラのURLから確認できます。

参考ページ:厚生労働省 特定最低賃金の全国一覧

特定最低賃金に該当する地域で働く場合、地域別最低賃金と特定最低賃金を比べて、高い方の最低賃金額が適応されます。

自分は特定最低賃金に該当するかどうかわからない場合は、各都道府県の労働局か労働基準監督署に問い合わせをしてみてください。

派遣社員の最低賃金の決め方は?

最低賃金がどういうものかわかったところで、次に派遣社員の最低賃金について解説します。

先に結論を言うと、派遣社員の最低賃金は「派遣先企業の住所」によって決定します。

派遣社員の最低賃金の決め方を詳しくみていきましょう。

適用されるのは派遣先企業の住所

派遣社員の最低賃金を決めるときの基準は、「派遣社員が住んでいる地域」ではなく、「派遣会社の所在地」でもなく、「派遣先企業の所在地」で決まります。

<例>
埼玉県在住のSさん
(埼玉県の最低賃金・・・898円)
東京都にある派遣会社Tに所属
(東京都の最低賃金・・・985円)
勤務する派遣先企業は千葉県のU株式会社
(千葉県の最低賃金・・・895円)

この場合、Sさんの最低賃金は千葉県が基準となるので、「895円」となります。

今、派遣社員として働いている人で、自分の仕事に対する最低賃金がいくらかを知りたいときは、いつも出社している派遣先企業の住所の最低賃金を確認してください。

最低賃金の計算方法

派遣社員の給与形態で一般的なのは時給計算ですが、中には日給や月給契約の人もいるかと思います。

時給の場合は、今もらっている時給と最低賃金一覧を比較すればすぐわかりますが、日給や月給の場合は、時給に換算し直す必要があります。

また最低賃金には、毎月支払われる基本的な賃金しか含まれず、残業代や家族手当、割増賃金は含まれません。

それを踏まえた上で、具体的な計算方法をみていきます。

日給の場合の最低賃金計算方法

日給の場合の最低賃金の計算方法は次の通りです。

最低賃金(時間額)=日給÷1日の所定労働時間

例えば、日給7,000円で8時間労働の場合、

7,000÷8時間=875円

もし、勤務地が東京都や神奈川県、先ほど例に挙げた埼玉県などの場合、最低賃金を下回ってしまうことになります。

最低賃金を下回るのは、立派な法律違反です!

月給の場合の最低賃金計算方法

月給の場合の最低賃金の計算方法は次の通りです。

最低賃金(時間額)=月給÷1ヶ月の平均所定労働時間

例えば、月給178,000円で1ヶ月の平均所定労働時間が160時間の場合、

178,000÷160時間=1,112円

月給が178,000円の場合の時給は、1,112円になります、

どの地域の最低賃金をも上回っているので、この場合は問題ないということがわかりますね。

最低賃金以下しかもらえていない時の対処法

もしあなたの賃金が、最低賃金以下だった場合、どうすればいいのでしょう。

何度もお伝えした通り、労働者の賃金を最低限保証するものなので、最低賃金を下回って派遣社員を雇用することは、立派な法律違反になります。

仮に、あなたの給料が最低賃金を下回っている場合、差額分を派遣会社に請求することができます。

心当たりがある人は、派遣会社の担当者に直接問い合わせをしてみてください。

「あなたの能力が足りていないので、給料を上げることはできない」
「今、会社の経営が苦しいから我慢してほしい」
など、いろいろな理由をつけて交渉に応じてもらえない場合は、給料明細を持って労働基準監督署に相談に行きましょう。

経営状態が悪かろうと、派遣社員の能力不足であろうと、最低賃金以下で派遣社員を雇用することは法律違反になります。

労働基準監督署は厚生労働省が管理のもと、各都道府県に労働局が設置されています。

「派遣会社に交渉したけど跳ね返された」
「自分一人でうまく派遣会社に交渉できない」
「難しくてよくわからない」

など、困ったことがあれば、専門機関に相談するのが一番です。

最低賃金制度は、労働者の給料を保証するものなので、下回っている場合は、必ず派遣会社に問い合わせをしてみましょう。

派遣社員にも最低賃金制度は適応される

いかがでしたか。

今回は、派遣社員の最低賃金についてご紹介しました。

派遣社員は、アルバイトやパートと違って、実際に働く派遣先企業と雇用主である派遣会社の2社が関わっているので、何を基準に最低賃金を考えたらいいかがややこしいポイントですよね。

今回ご紹介したように、派遣社員の最低賃金は、「派遣先企業の所在地」が基準となります。

このポイントをしっかりおさえた上で、自分の時給が最低賃金を下回ってないか、一度確認してみましょう!

もし、最低賃金を下回っているなら、差額分を請求できるので、疑問があれば派遣会社の担当者に、直接問い合わせてみてください

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