派遣社員の引き抜きって違法なの?引き抜きを提案された時の対処法とは

つらそうな女性社員 派遣社員の豆知識

派遣社員として働いていると、派遣先企業から「直接雇用」の提案を受けることがあります。

いわゆる『引き抜き』と呼ばれるものですね。

派遣社員にとっては、直接雇用=社員になれるチャンスなので、

「やった!これで社員になれる!」

と喜ばしいことに思えますが…。

一方で、
「これって契約違反にならない?」
「派遣会社に違約金を支払わないといけないの?」

など、不安要素もでてきますよね。

そこで今回は、あなたが「引き抜き」にあった場合、どんなメリットやリスクがあるのかをわかりやすく解説します。

「いつかは正社員になりたい!」

と思っている方も、引き抜きとはどういうことを指すのか、自分にとって本当にメリットがあるのかを、今のうちに理解しておきましょう!

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派遣社員の引き抜きとは?

そもそも、どういう状況が「引き抜き」になるのかを整理していきます。

ここからは分かりやすくするために、あなたが引き抜かれる場合を想定して、解説をすすめますね。

引き抜きとは

あなたが働いている派遣先企業が「直接雇用したい」と提案し、それにあなたが応じる場合、引き抜きということになります。

引き抜かれると、あなたの雇用主が派遣会社から派遣先企業に変わります。

派遣社員の場合・・・雇用主は派遣会社
直接雇用の場合・・・雇用主は派遣先企業

あなたの雇用主が変わること自体は、何の問題も違法性もありません。

ただし、派遣先企業が派遣会社にあなたを直接雇用したい旨を伝えるか・伝えないか、ここが大きなポイントとなります。

派遣会社を通さない場合を引き抜きと呼ぶ

あなたが働いている派遣先企業が派遣会社を通さずにあなたを直接雇用する場合を、一般的に「引き抜き」と呼びます。

引き抜きは、派遣会社と派遣先企業が交わしている契約内容によっては、契約違反になるケースがあります。

そもそも、なぜ派遣先企業は派遣会社に内緒であなたに直接雇用の提案をするかというと、あなたを引き抜いた場合に「手数料を支払わなければならない」ケースがあるからです。

派遣先企業は、派遣会社に手数料を払ってあなたを派遣してもらっています。

直接雇用になると、派遣会社に手数料を払わなくてよくなるので派遣先企業にとってはメリットですが、派遣会社は入ってくるはずの手数料が減ってしまいますよね。

そのため、派遣会社の中には「直接雇用をするなら紹介手数料を払ってください」と主張するケースがあるのです。

派遣会社の紹介手数料例

一般的な紹介手数料の相場は、あなたの見込み年収の20〜30%と言われています。

―例―
あなたの直接雇用後の見込み年収:300万円とすると…
300万×0.3=90万円
最大で90万円の紹介手数料が必要となるのです。

この金額は、派遣先企業にとってはかなり痛手になりますよね。

だから、派遣先企業は派遣会社に内緒であなたに直接雇用を打診(=引き抜き)するのです。

紹介手数料の有無は派遣会社の契約内容による

派遣会社には、

  • 派遣社員の直接雇用を後押ししている
  • 自分の会社で優秀な派遣社員を抱えておきたい

この2種類の会社があります。

派遣社員の雇用安定性を目指して直接雇用を後押ししている会社は、手数料を要求するところが比較的少ないです。

一方で、自社で優秀な人材を抱えておきたいと考える派遣会社は、紹介手数料を要求することがあります。

ただし、手数料を支払うのは派遣先企業なので、あなた自身が違約金や手数料を支払わなければならないということはありません。

あなたが引き抜かれることで紹介手数料の支払いが発生するのかどうかは、派遣会社と派遣先企業の契約内容に基づきます。

引き抜きのメリットとデメリット

あなたが引き抜かれることによって、

  • 派遣社員(=あなた)
  • 派遣会社
  • 派遣先企業

にそれぞれどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか?

派遣社員のメリット・デメリット

メリット

  • 交通費が支給される
  • 派遣先企業の福利厚生を全て受けられる
  • 業務内容の幅が広がる
  • ボーナスが支給される

デメリット

  • 給料が上がるかどうかは別問題
  • 必ずしも正社員とは限らない
  • 契約社員の可能性もある
  • 残業が増えるかもしれない

引き抜きは一見、喜ばしいことに見えますが、直接雇用後の契約内容を全て確認してから判断することをおすすめします。

よくあるトラブルのケースとして、

「正社員かと思ったら契約社員だった」
「派遣の時よりも給料が下がった」

という事例です。

直接雇用には変わりないものの、契約社員だと期限付きという不安が拭えません。

そして、派遣の時よりも給料が上がるという保証もない(むしろ下がるケースも多いにある)ので、引き抜きの提案を受けたら聞きづらくても契約内容を細かく確認しましょう。

派遣会社のメリット・デメリット

メリット

  • 派遣社員の雇用安定をサポートできる

デメリット

  • 人材を手放すことになる
  • 派遣先企業から紹介手数料が支払われなくなる
  • 新たな人材を探さないといけない

派遣会社から見ると、デメリットの方が多くなります。

派遣会社の立場からすると、「引き抜くなら紹介手数料を払ってくれ!」と言いたくなるのもわからなくはないですよね。

引き抜かれた社員の雇用は安定されたとしても、派遣会社が引き抜きを歓迎してくれるかというと、そうではないケースの方が多いと思った方がいいでしょう。

派遣先企業のメリット・デメリット

メリット

  • すでに業務内容を理解している人を雇用できる
  • 求人コストと手間がかからない
  • 即戦力として働ける人材を確保できる
  • 派遣会社に定期的な紹介手数料を払わなくてよい

デメリット

  • 派遣会社に引き抜きの際の紹介手数料を支払わなければならない(場合もある)
  • 引き抜いた社員の保険や福利厚生費を負担しなければならない

わざわざ引き抜くわけですから、派遣先企業にとってはメリットがたくさんあります。

一番のメリットは、求人の手間が省けることと即戦力として働ける人材を確保できることです。

敢えてデメリットを挙げるとすれば、紹介手数料を支払わなければならないケースがあることと、直接雇用した社員の保険や福利厚生費の負担が増えるぐらいでしょうか。

とは言っても、雇用する側として社員の生活を守ることは当然なので、デメリットというほどでもありません。

引き抜きはタイミングに配慮すれば問題ない

もし引き抜きの提案を受けたら、あなたはどのように対応すればいいのかを、最後に見ていきましょう。

ベストなタイミングは契約更新月

派遣社員として働いている間は、3ヶ月もしくは6ヶ月ごとに契約更新があるはずです。

もし引き抜きの提案を受けて、それに応じたいと思ったら、いきなりその旨を派遣会社に伝えるのではなく、契約更新月を待ちましょう。

そして、次回の契約更新のときに、更新を辞退してください。

契約満了まで派遣社員として働き、退職した後に次の雇用主である「派遣先企業」で就業するのが、一番無難です。

この手順を踏めば、法的にも契約的にもあなたが派遣先企業で就業することに何の問題もありません。

あなたの自由意志で派遣会社を辞めたということになるので、「引き抜きではない」という主張もおそらく通るでしょう。

契約の途中だと引き抜きと見なされる可能性あり

派遣先企業とあなたの間で直接雇用の話がまとまったからと言って、派遣会社の契約期間中にあなたが派遣社員を辞めたとします。

そして、あなたが派遣先企業に直接雇用してもらって働いている時に、その事実を派遣会社が知った場合、派遣会社が派遣先企業に紹介手数料を請求する可能性があるかもしれません。

(メリット・デメリットで紹介したお通り、引き抜かれることは派遣会社にとってはデメリットが大きいので…)

あなたに支払いの義務がないとは言え、荒波を立てずにことを進められるならなるべく穏やかな方法を選ぶことを個人的にはおすすめします。笑

引き抜きの提案は鵜呑みにしないことが一番

いかがでしたか。

今回は、どの派遣社員にも起こり得る引き抜きについて見ていきました。

引き抜きは、
「自分の実力が認められた!」
「会社に必要とされている!」
と、一見嬉しいことにも見えますが、安易に鵜呑みにしないことが一番です。

記事内でもお伝えした通り、引き抜かれたからと言って正社員として働ける確約もなければ、給料が上がる保証もありません。

引き抜かれた後の生活を考えて、あなたのライフワークがより良くなると判断できる場合は、働く場所を変えたらよいと思います。

ただし、勢いで動くのではなくご紹介した通りタイミングは大人の判断をしたほうがいいですよ!

派遣会社や派遣先企業の契約上の観点やお金の問題から見ていきましたが、なにより重要なのはあなた自身の生活なので、自分の理想とする生活に近づける方を選んでくださいね!

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