派遣社員の1ヶ月更新って違反じゃないの?短期で契約される理由の真実とは

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派遣社員として働くときに、1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月など、いろんな期間で雇用契約を結びますよね。

中でも短期契約に当たる1ヶ月更新。

「1ヶ月更新だから、社会保険に入れなかった」
「本当は長期で働きたいけど、1ヶ月更新しかできないと言われた」

など、いろいろとトラブルが多いのも1ヶ月更新です。

そもそも1ヶ月で更新するって違法じゃないのでしょうか?

今回は1ヶ月更新について、

  • 違法になる場合とならない場合
  • 1ヶ月更新にされる理由
  • 1ヶ月更新の場合の社会保険制度

について、詳しくみていきます。

1ヶ月更新について気になる方は、ぜひ参考にしてみてください!

派遣社員の1ヶ月更新って違法になる?

派遣社員の1ヶ月更新が違法になるかどうか、結論から言うと、

派遣会社との労働契約期間が30日以内・・・違法になる
派遣会社との労働契約期間が31日以上・・・違法にならない

が正しい回答です。

つまり、派遣会社との契約が31日以上であれば、1ヶ月更新は違法にはなりません。

ややこしいので、もう少し具体的に見ていきます。

派遣の1ヶ月更新が違法にならない理由

派遣社員がどのようなルールに従って就業することができるかどうかは、「労働者派遣法」に基づきます。

労働者派遣法の中では、日雇派遣が原則禁止となっています。

「日雇派遣」の定義としては、契約期間が30日以内ということです。

たとえ勤務日数が1日だけであったとしても、派遣会社との労働契約が31日以上であれば問題ありません。

つまり、1ヶ月更新が違法になるかどうかは、実際に勤務する日数ではなく、派遣会社との契約期間によって左右されます。

<例>
勤務日数が20日(週5日×4週間)とすると・・・

契約期間が6月1日〜6月30日の場合
→この場合の1ヶ月更新は違法
理由:派遣会社と派遣社員の労働契約期間が30日以内だから

契約期間が7月1日〜7月31日
→この場合の1ヶ月更新は違法にならない
理由:派遣会社と派遣社員の労働契約期間が31日以上だから

上記の例を見てわかるように、1ヶ月更新が違法となるのは、契約日数が30日以内の場合です。

30日しかない月もあれば、31日までの月もあるので、単純に1ヶ月=◯月でカレンダーを確認するのではなく、契約書に記載のある日数が何日あるかを確認する必要があります。

契約期間が1ヶ月更新にされる理由

派遣社員にとっては、1ヶ月しか契約できないという状況は、「いつ契約を切られるかわからない不安」が残るので、できれば3ヶ月や6ヶ月で契約したいですよね。

それなのになぜ、1ヶ月更新というものが存在するかというと、社会保険の支払いが関係するからです。

派遣社員は、派遣先企業が見つかって就業している間は、派遣会社の社会保険に加入できる場合があります。

社会保険について、詳しく見ていきます。

派遣社員の社会保険

次の条件を満たす派遣社員に対して、派遣会社は社会保険の加入義務があります。

<雇用保険の加入条件>

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 31日以上雇用される見込みがあること

<健康保険の加入条件>

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 1年以上の雇用が見込まれる
  • 月額の給料が88,000円以上
  • 従業員数が501名以上※

※従業員数が500名以下の場合は、労使で合意があれば加入対象

<厚生年金の加入条件>

  • 1週間の所定労働時間が派遣会社の正社員の4分の3以上
  • 2ヶ月以上雇用される見込みがあること

派遣社員が働けなくなったときに給付金が支給されるなど、雇用を守るための雇用保険ですが、加入できる条件が週20時間以上の労働と31日以上の雇用契約です。

雇用保険は、派遣社員と派遣会社が折半して負担するので、派遣会社にも支払いが発生することになります。

もし1ヶ月更新(30日以内)の雇用契約を結べば、派遣会社は派遣社員を雇用保険に加入させる義務を回避できるので、3ヶ月や6ヶ月ではなく、1ヶ月で更新しようとします。

そのため、悪質な派遣会社は1ヶ月更新を提案してくることがあるのです。

ただし、冒頭でご紹介した通り、30日以内の契約は日雇派遣に該当し、立派な違法契約にあたります。

長期で継続して働く見込みがあって、初回だけ試用期間を踏まえて1ヶ月更新というケースは一般的ですが、それ以外は違法にあたるので注意しましょう。

初回の1ヶ月更新については、後ほど別項でご紹介します。

1ヶ月更新の場合の社会保険ってどうなるの?

先ほどもお伝えした通り、社会保険に加入するにはそれぞれの保険に加入条件があり、1ヶ月更新で契約期間が30日以内なら、社会保険に加入することはできません。

31日以上の契約期間の場合は、期間の長さに合わせて、雇用保険や厚生年金に加入できます。

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1ヶ月更新でも連続した場合は社会保険に加入できる

たとえ1ヶ月更新で就業をスタートしたとしても、同じ派遣先で連続して雇用される場合は、社会保険に加入することができます。

具体的に言うと、1ヶ月更新で契約が開始して、その後2ヶ月以上続いた場合は、2ヶ月を超えた日から加入が必須になるということです。

これは法律で義務付けられているので、派遣会社も派遣社員も加入を拒むことはできません。

仮に、1ヶ月更新であっても、長期での勤務が見込まれている場合も、社会保険の加入対象になります。

社会保険は、派遣社員の雇用安定・健康の保証・将来の保証のためにとても重要なものです。

就業中、保険に加入できなくて自分が困らないように、社会保険については正しく理解しておいてくださいね。

もっと知りたい「派遣会社の社会保険について」はこちらの記事を参考にどうぞ!
リンク「タイトル:福利厚生が充実している派遣会社特集!おすすめの派遣会社3社をご紹介!」

トラブル事例:悪質派遣会社に要注意

最近は派遣会社の数もかなり増えて、信頼できる大手派遣会社がたくさんあります。

その一方で、まだまだ悪質な派遣会社が存在するのも事実です。

ここで「派遣の1ヶ月更新」に関係する一つのトラブル事例をご紹介します。

1ヶ月更新の繰り返しで社会保険に加入させない派遣会社

派遣社員としてフルタイムで働いているAさん。

派遣会社との契約は1ヶ月更新で、すでに契約を2回更新し、3ヶ月目に突入しています。

フルタイムで働いていて、しかも2ヶ月以上も雇用されているのに、Aさんは社会保険に加入できていないまま。

「社会保険に加入したい」という希望を派遣会社に伝えたところ、派遣会社から

「1ヶ月更新の契約で、いつまで契約が続くか未定なので、社会保険には入れない」

と言われたそうです。

本当にこんな派遣会社があるのか?と疑いたくなりますが、Aさんのように、派遣会社の被害に遭っている方は少なくありません。

1ヶ月更新であったとしても、連続して就業する場合は、2ヶ月を超えた時点で社会保険の加入は必須になるので、この派遣会社は明らかに法律に違反しています。

今、派遣社員として働いている人は、自分が社会保険に加入できているのか、明細を見るなどして、一度確認しておきましょう。

1ヶ月更新の契約の裏には、社会保険の加入回避という側面があると言うことをお忘れなく。

初回は1ヶ月更新の場合がある

1ヶ月更新が必ずしも怪しいかというと、そういうわけではありません。

新しい派遣先企業に就業が決まったとき、初回の契約は1ヶ月で行うことが多く、一般的になっています。

ここも、社会保険の加入が大きく関わってきますが、初回の1ヶ月更新は、派遣会社と派遣社員両方にメリットがあるのです。

初めて派遣されて、

  • 仕事が合わなかった
  • 通うのが大変だった
  • 職場の雰囲気と合わなかった

などいろいろな理由で、継続して働けないことも予想されますよね。

先が見えない中、いきなり3ヶ月契約などを結んでしまうと、初月から社会保険に加入することになり、その分保険料が給料から天引きされます。

社会保険は日割りで支払いができず、加入すると1ヶ月分全額が給料から引かれます。

仕事が合わないなどの理由で、数日しか勤務しなかった場合でも、保険料が1ヶ月分引かれると、最悪の場合、給与がマイナスになることもあるのです。

もちろん長期で働きたいという思いがあって、1ヶ月以上の契約期間が見込める場合、希望すれば初回から社会保険に加入できます。

ただし、実際に職場に行ってみないと雰囲気や仕事内容はよく把握できないと思うので、職場を見る前から加入するのは少しリスクがあるということを覚えておいてください。

最初の1ヶ月は試用期間だと思って、どんな仕事でどんな職場なのかということを把握することを目的に置いてもいいかもしれません。

初回更新を必ず更新しなくてもよい

先ほどもお伝えした通り、初回の1ヶ月更新はいわば「試用期間」のようなもの。

派遣社員にとっても、派遣先企業にとってもお試し期間になります。

もし、1ヶ月働いてみて「ここの仕事は合わなさそうだな」と思ったら、思い切って更新しないという旨を派遣会社に伝えましょう。

ただし、ここで一つ注意しておきたいのが、基本的には契約を更新しない場合、1ヶ月以上前に申告するのがベストです。

社会人のマナー的にも、派遣先企業への配慮としても、月末になって「来月から来ません」というのは少しぶっきらぼうですよね。

ただし、1ヶ月更新の場合、1ヶ月以上前に申告はできないので、最低でも更新日の2週間前までには、派遣会社に伝えるように心がけましょう。

派遣会社はあなたに次の派遣先を紹介する準備と、派遣先企業に新しい人材を派遣する準備が必要なので、契約を更新しない意思はなるべく早く伝える方が親切です。

長期的なキャリアプランを考えることが大切

今回は派遣社員の1ヶ月更新について取り上げました。

必ずしも、
【1ヶ月更新=違法】
とはなりませんが、1ヶ月しか雇用契約が結ばれないというのは、雇用の安定性から見るととても安心はできませんよね。

  • 次の仕事までの短期間
  • 引っ越し、結婚、出産までの短期間

など、自分の都合に合った場合の1ヶ月契約なら問題ありませんが、長期的に働き続けたいという意思があるなら、なるべく3ヶ月・6ヶ月で契約できる仕事を見つけた方が良いでしょう。

仕事に自分の生活を合わせるのではなく、自分の生活に合った仕事を見つけることが大切です。

今、1ヶ月更新で派遣勤務をしている人は、この機会に自分のキャリアプランを見直してみるのもいいかもしれません。

1ヶ月更新で契約期間が31日以上の場合は社会保険に加入できるので、もし1ヶ月更新を理由に社会保険の加入を断られた人は、すぐにでも派遣会社を変えることをおすすめします。

1ヶ月更新に惑わされないように気をつけて下さい!

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