「転職には資格が必須!」
「資格があれば転職は簡単!」
なんて意見。
どちらも短絡的すぎます。
確かに、資格のある無しは転職が成功するか否かを大きく左右するポイントです。
しかし転職において資格は、「目当ての業種」「目当ての職種」で役立つ資格を持ってないと、資格の効果を最大限発揮することができません。
転職活動は、転職後の生活を考えても「時間との戦い」です。
限られた時間で、転職を成功させるためにも、資格を活かして転職を成功させましょう!
今回は、転職を成功させるための資格の種類、具体的にどの資格が転職で活きるか、詳しく説明します。
転職活動に資格は必須?
そもそも、転職活動において、資格を持っているということは必須条件なのか。
転職と資格の関係から調べていきましょう。
資格=スキル
資格というのは、そのままその人の持つスキルと判断されます。
資格を持っているということは、その人にはスキルがあるということ。
転職の面接で、いくら「自分はできる」と強気なことばかり言っても、実際にスキルがあるかないか、それを証明してくれるのは「資格」なのです。
採用面接で口ばっかりと判断されないために、しっかりと転職に役立つ資格を持っておくべきでしょう。
20代の転職ではスキルがポテンシャルでカバーできる
とはいえ、20代の転職活動において、30代の転職と比べると資格の重要度は低いです。
なぜなら、20代には他の年代にない「若さ」という最強の武器があるからです。
「若さ」があるということは、企業側はその人材に「伸びしろ」を感じます。
30代、40代社員となると、その人は働ける期間も短くなり、スキルを身につける期間も短いため、転職が難しくなります。
つまり、20代の間で難しい資格取得に時間をかけるくらいなら、20代の若さを活かして転職しましょう。若さは、どれだけ労力を割いたとしても、手に入るものではないのです。
転職で役立つ資格の種類
資格にも、いくつか種類、区分があり、それぞれ資格の持つ効果が異なります。
自分の転職で活かせる最適な資格を、しっかりと選んでください。
国家資格
国から委託された機関が試験を実施するのが、国家資格です。
国から認定された資格であることもあり、資格としての効果は大きいです。
難易度は高いですが、国家資格を活かした仕事は食うに困らない、なんて言われるほどです。
公的資格
民間の団体、または公益法人が実施する試験を受けて、合格基準を満たせば取得できるのが、公的資格です。
合格者は文部科学省や経済産業省などが認定する企画なので、民間資格よりずっと国家資格よりです。
民間資格
民間団体や企業が実施する試験を合格すれば手に入るのが、民間資格です。
マイクロソフトオフィススペシャリストなどがこれに当たります。
転職のための資格の選び方
さて、転職に役立つ資格を取ろうと考えているあなた。
数ある資格の中で、自分の転職活動で活かせる資格はどれなのか悩んでいる方のために、転職で役立つ資格の選び方をお教えします。
転職先企業にとってメリットがあるか
企業側にたって考えてみれば、その資格の価値がわかってきます。
有資格者が自社にいることで、メリットを感じられるのか。
もし企業にとって多くのメリットがありそうなら、その資格は転職活動に役立てることができるということです。
資格取得の難易度が適切か
資格取得の難易度が高すぎて、資格取得が転職活動の妨げになっているようなら、その資格は適切と言えません。
資格勉強を、転職活動と並行して行ったとしても、転職の妨げにならないかどうか。
資格取得の難易度も、資格を選ぶ際一つの選択基準となるでしょう。
転職活動の邪魔にならないのが大事
あくまで資格は、転職活動を円滑に進めるためのもの。
資格を獲るまでが、転職そのものを邪魔していては本末転倒です。
転職がうまくいかないくらいなら、その資格を獲るのを諦めるくらいでちょうど良いのです。
今後持つべき資格は人生設計にかかわる資格
現代社会は先行きの見通しが立たない、「予測不可能な社会」です。
日本情勢は見通しが立たず、アメリカをはじめ世界情勢も荒れています。
そんな不安な社会で役立つのは、「老後資金を運用する仕事」「人生設計を考える仕事」、つまり今後のお金について考える仕事です。
今後の人生設計を考えることで安心したい人々、そして自分の未来を考える目的でも、いま社会では先行きの見通しを立てる資格への需要が高くなっています。
どんな時代になろうと、「自分の人生設計」について関心がなくなる時代は来るはずがないのです。
20代男性が転職活動で持っておくべき資格
20代のなかでも、とりわけ男性が持っておくべき資格から学んでみましょう。
どうして男性向けかというと、男性が多く活躍する会社で役立つ資格だからです。
TOEIC・TOEFL
明確に言うと資格ではありませんが、TOEIBのスコアは自身の英語能力のアピールでとても約に立ちます。
日本系企業でももちろんのこと、特に外資系企業へのアピールでとても役立ちます。
転職で評価されるのは、TOEICでは600点以上。
TOEFLで言えば213点以上だと言われています。
それ以下の点数では、転職活動においてあまり評価されないかもしれません。
TOEICの高スコアをみて企業は、「自身のキャリアに真剣である」「英語スキルを上げるための努力をできる気概の持ち主」であることを評価します。
TOEIC800点以上なら、英語でのトラブル処理から多少の議論など、高度な英語のコミュニケーション能力があると評価されるので、転職市場でかなり有利に働きます。
フィナンシャルプランナー
保険会社、不動産会社などへの転職で特に役立つのがこのフィナンシャルプランナーです。
フィナンシャルプランナー資格を持っていれば、あらゆる金融知識、教育資金、年金制度、保険、不動産、税制等幅広い分野への知識を有していることの証明になります。
それなりに広い分野の理解が必要になるので、長い勉強時間が必要になる資格です。
運転免許取得は最低ライン
仕事が完全にデスクワークで運転能力を求められない場合でも、ふいに仕事で車の運転を任されることがあります。
また、営業職への転職などなら運転免許証は必須です。
普通自動車ではなく、大型車の免許を持っておくことで、さらに仕事の幅は広がります。
どの業界の企業でも、企業が求める資格のなかには「普通自動車免許」があるそうです。
仕事においていかに車の運転が絡むことが多いか、ということですね。
20代女性が転職で持っておきたい資格
結婚、出産を機に転職する人が多いので、むしろ女性のほうが転職は身近かもしれません。
ライフステージの変化と転職が絡みがちな女性は、ブランクありの現場カムバック転職も視野に入れながら資格選びを行う必要があります。

どの資格を持っていれば、女性の転職活動で役立つか、具体的にご紹介します。
女性が転職活動で資格を選ぶ際のポイント
女性は転職活動を行う上において、男性とは違ったポイントを考える必要があります。
女性は女性ならではの観点から、転職活動を考えていくことになります。
転職活動で資格を選ぶ際のポイントも、しっかり抑えておきましょう。
女性の若さ関係なく武器になる資格
男性もそうですが、特に女性は転職活動において「若さ」を求められがちです。
女性はある程度の年齢で、会社を辞めてしまう人も多いからです。
若ければ若いほど女性の転職は有利なわけですが、資格によっては「若さ」という武器に関係なく強い効力を発揮するものもあります。
女性が資格を選ぶ際には「年齢」を度外視できるようになる資格を探してみてください。
若くないと効果がない資格は、わざわざ取得しても仕方ありません。
働きながら取得できる
「働きながら取得できる」のも大切です。
仕事をやめて、勉強に集中しないと取れない資格は良い資格とは言えません。
勤務の傍ら、仕事しながらでも十分取れる資格を狙いましょう。
ファイナンシャルプランナー
相談者の夢や目標、財政状況、資産、負債などあらゆるデータをまとめて、現状を分析するのがファイナンシャルプランナーです。
お金にまつわるスペシャリストであるファイナンシャルプランナーは、年齢関係なく女性に役立つ資格。
キャリアに役立つだけでなく、ファイナンシャルプランナーの勉強をするだけで、自分の未来について考える助けにすることができるでしょう。
介護士資格
20代女性は「介護士資格」がおすすめです。
ますます高齢化社会になっていく現代日本において、介護士の資格を持っておけば、食いっぱぐれることはないでしょう。
また、介護士は多少ブランクありでも現場に復帰しやすい仕事でもあります。
介護士資格は、介護士として働きながら取れるなど、比較的取得難易度が低い国家資格としても有名です。
長い目線で働くために、20代のうちから介護士資格を持っておくのも良いでしょう。
保育士資格
少子化と言われている現代ですが、待機児童が増えており保育士が不足している現代日本において保育士資格も強い需要があります。
保育士資格を持っておけば、保育所での勤務のみならう、児童厚生施設などあらゆる自動関連施設での勤務が可能になります。
つまり、保育士資格は転職活動に有利だということです。
保育士資格は独学で取るのが難しく、保育士養成校に2年間ほど通い、卒業までに少なくとも200万円ほどの費用が必要になります。
登録販売者
登録販売者を持っていれば、薬局やドラッグストアなどで、一般医薬品を販売することが許されます。
薬品販売系の仕事へ転職することで優遇される資格ですが、その他の仕事では登録販売者資格は意味がありません。
薬剤師資格と違い、扱うことのできる薬品の種類は少なく、転職で強いといえるほど有利な資格ではありません。
登録販売者資格保有者には、販売職の人間性やコミュニケーション能力も求められます。
ドラッグストアや薬局勤務を考えている女性にはぜひ持っておいてもらいたい資格です。

業界別 転職に役立つ資格
さて、ここからはもっと具体的に、業界別で転職に役立つ資格を紹介します。
見当違いな資格を取らないように、しっかりと自分が転職する業界で役立つ資格をとるために動きましょう。
経理
日商簿記検定
簿記に関する知識にける、経営管理に役立つレベルであることを表明できるのが、この日商簿記検定。
男女関係なく持っていると役立つ資格です。転職で役立つレベルは、日商簿記検定2級から。
出題範囲は広く、商業簿記と工業簿記の2種類から出題されることになりますが、合格率は70%以上と高めです。
しっかり短期間に勉強すれば、資格取得は数ヶ月程度しかかからないでしょう。
短期間の勉強で、転職に役立つ資格が取れるということで、日商簿記検定はおすすめです。
事務
各種MOS
マイクロソフトの各種ソフト、ExcelやWord、PowerPointなどを使うスキルを表明する資格です。
事務仕事は、マイクロソフト社のソフトと無関係で仕事することはできません。
MOSには、Excelなどのほか、AccessやOutlook合わせて5種類の規格がありますが、一般的な転職なら基本的な3つのMOSで十分。
勉強もしやすく、とっつきやすく転職にも役立つ資格です。
秘書検定
秘書に求められる能力・知識を持っていることを証明するための資格がこの「秘書検定」です。
秘書検定という名前ではありますが、この資格にはビジネスシーンのあらゆる状況で役立つスキルを網羅できる検定です。
そのため、秘書検定を持っていれば、職種・業種を問わず事務系の仕事全般で役立ちます。
それゆえ、女性だけでなく男性でも持っておいて損のない資格といえます。
履歴書に書きたいなら、最低でも秘書検定2級は持っておきたいところです。
本格的に秘書として働きたいなら、秘書検定準1級以上を持っておきたいところです。
金融業界
証券外務員資格
有価証券の売買など、金融商品勧誘で必要になるのがこの証券外務員資格です。
金融知識だけでなく、財務や経済といった幅広い分野への幅広い知識を身につけることができます。
財務関係、金融関係の仕事は、年収相場が高いので、証券外務員資格を活用した転職でキャリアアップも可能です。
ファイナンシャルプランナー
顧客のライフプランの設計や、不動産、相続、お金に関するあらゆる知識があることを証明する資格です。
金融業界のほか、不動産業界で働く人も持っておきたい資格。
ファイナンシャルプランナー1級ともなると、個人で働くことができるほどの知識を表明できます。
未経験でもこの資格を持っているのは、転職活動においてかなり有利となります。
未経験業界への転職には資格が必須
20代の転職活動において資格は役立ちます。
その転職活動において、「未経験業界への転職」となるとさらに資格の効果は大きくなります。
20代の転職は、資格は「必須」でないことも多いですが、未経験業界への転職となると話は別。未経験業界へ転職をしたいなら、資格は持っておいた方が良いでしょう。
企業側の研修リソースを削減できる
未経験業界への転職で資格を持っておくべきなのは、まず「企業側の教育」の負担が無くなるからです。
未経験ということはつまり、その業界で働くための知識もスキルもないということ。
企業側で考えてみてください。どうしてうちで働くための知識も経験もない人を受け入れて、その人にあれこれ教えてあげる手間をかける必要があるのでしょう。
企業としては、いくら20代で若いとしても、中途入社後すぐに戦力になる「即戦力」の人材を求めているのです。
未経験業界への転職で役立つ資格
未経験業界への転職で役立つ資格もご紹介します。
資格の取得難易度は高いですが、未経験業界への転職そのものの難易度が高いので、資格取得の難易度も比例して上がってしまいます。
医療事務
医療従事者のサポート、カルテの管理など、医療機関で働く時かかせない知識を証明するには、医療事務の資格が必要です。
一言で医療事務と言っても、いくつか種類があります。自分がどの医療機関で働きたいのか、あらかじめしっかり決めておき、そこで役立つ医療事務の資格を抑えておきましょう。
病院のほか、検診センターや健康保険組合など、幅広い現場で役立つ資格です。
特に女性の転職で人気の資格です。
歯科助手
歯科医の助手を勤めるために必要なのがこの資格。
歯科医は人気職業で、年々増加傾向にあることもあり、歯科助手も人気の資格です。
未経験の女性に人気の資格で、取得難易度もそこまで高くないこともあり、未経験の転職でおすすめの資格です。
ITパスポート
独立行政法人IPA(情報処理推進機構)が実施する資格です。ITを活用するすべての社会人、または学生が備えるべき知識がほとんど含まれているため、IT業界への転職で持っておきたい資格です。
ITの基礎なので今後上級の資格を取っていこうと思っている方の、まずは土台となる資格だと言えるでしょう。
20代が資格取得を転職活動に役立てるポイント
資格を取り終わった方は、そこから資格を活かして、どのように転職活動を進めていけば良いのか。
資格を活かした転職活動の方法も、しっかり考えておく必要があります。
資格取得のその後まで見据える
ゴールは「資格取得」ではありません。
資格を取ったあと、どんな展開を期待するのか。
資格取得ばかり考えすぎて、転職活動そのものがおろそかになってしまうようでは、転職活動に資格が役立ったとは言いづらいです。
繰り返すようですが、20代の転職では資格が必須ではない場合が多いです。
そんな必須でないもののために、転職活動という大きなイベントをだめにしてしまうのはあまりにもったいないです。
資格を活かせる仕事を転職エージェントで聞く
せっかく資格をとったら、転職エージェントで資格を活かして働ける企業を教えてもらいましょう。
あなたが新しくとった資格、そしてすでに持っていた資格、それら両方のスキルを活かした転職活動を進めるために「転職エージェント」は必須です。
転職エージェントに登録して、キャリアコンサルタントにあなたのスキルを伝えてください。資格を活かして転職できる求人を提案してくれるはずです。

効率的に資格を取得するためのポイント
転職活動において資格を持っておくのは有利です。
ユーキャンのアンケートによれば、およそ75%の採用担当者が「採用の際資格を重視したことがある」と答えています。
また、「資格を重視したことがある」と答えた採用担当者のなかには、「募集職種に関連資格でなくても『学ぶ』姿勢を評価する」
と答えている人もいます。
多くの企業で資格取得者に対して採用担当者が好意的であることがわかりますよね。
勉強を効率的に
資格勉強を効率的に進めることも大切です。
まず出ているテキストの種類が多い資格なら、まずテキスト選びが重要です。
資格によっては、公式テキストだけでなく非公式テキストが出版されていることも。
テキストによっては、試験とポイントがずれているなど、情報が古いテキストも。
移り変わりが激しい業界の資格では、とくにそのポイントが顕著です。
勉強期間を区切る
資格取得はあくまで転職活動を成功させるための手段です。
だらだらと資格取得のために時間を使っていては、転職活動自体が長引いてしまいます。
「この期間は資格取得のために使う」
という期間を明確にすることで、資格取得自体が転職活動に悪影響を与えることを防ぐことができます。
1日単位の勉強をする
「1ヶ月でここまで勉強する」
など、1月単位などで資格勉強する人も多いですが、「今日はここからここまで万協する」といったような1日単位で勉強したほうが勉強の効果は大きくなります。
勉強の進捗状況に合わせて、1日単位の短期的な勉強を行って効率的に資格勉強を行ってください。
過去問重視で勉強する
多くの人が「参考書を読み込んでから過去問を解く」とおいう勉強法を取りますが、私は過去問を解く前に参考書を読み込む必要はないと考えています。
あくまで参考書は資格試験の全体像を把握するためのもの。
参考書を1回読んだなら、すぐに過去問に取り掛かってください。
過去問を解くことで、参考書の情報をよりくっきり立体化させることができます。
過去問を解いて、参考書は過去問のなかでわからない部分を確認するために使う、くらいの認識でいいです。
資格勉強中の人付き合いは最低限にする
資格勉強中は、友人、知人と付き合うための時間は最低限にしてください。
仕事関係など、避けられない人付き合いもあるでしょう。
そこは必要最低限におさめて、関係ないことはうまくごまかして、その時間を試験勉強にあててください。
わざわざ資格取得中にあらたな人脈を広げる必要もありません。
転職のための人脈も、現在の仕事で関わる人脈を活用したほうが良いはずです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
20代という若さで転職する時役立つ資格を紹介しました。
資格は、転職活動を進める上で、かなり強力な武器となり得るのですが、資格取得が転職活動そのものを阻害してしまうことのないようにしてください。